さだ小学校からご依頼をいただき、6月27日に4年生3クラスを対象に「環境出前授業」を行って来ました。ご担任の先生と内容についての事前打合せをさせていただく中で、4月に全小学校に郵送していた「環境出前授業プログラム冊子」の内容を見て、屋内での授業の方が良いが、一生懸命自転車をこいで電気をつくると言う体験をさせる事によって「電気の無駄使いは止めよう」と言う意識付けにつなげる「自転車発電」は是非「体験」させたい、と言うご要望がありましたので、実施プログラムは「環境問題と電気エネルギーについて学ぼう(屋内版)」にして、一部の内容を「自転車発電体験」に差替えて実施すると言うご提案をさせていただきました。この様に、臨機応変にご要望に則した内容に変更して実施出来る事も、自分たちで授業プログラムを開発している私たちの強みです。
「環境問題と電気エネルギーについて学ぼう(屋内版)」は、教室に実験器材、体験器材を持ち込んで、「自分たちで、見て、触って、体験していただく」中で「環境問題」を考えてもらい、児童たちの「環境啓発」につなげてもらう授業です。
前半の「講義」では、今回の「環境出前授業」の内容がSDGsのどの項目に該当するかの説明から始めて、「地球温暖化のしくみ」を切り口に、今は「電気エネルギー」をつくるために火力発電所ではたくさんのCO2を排出している事、その事が「地球温暖化」の大きな原因のひとつになっている事などを事例を交えながら学習していただきました。そして、発電機の原理模型を何人かに「体験」してもらったりする中で、発電所から送られてきた「電気エネルギー」が家庭や社会で様々に形を変えて使われていることを知ってもらい、私たちの暮らしが「電気エネルギー」無しには成り立たない事を学んでいただきました。
そして、そう言う現状の中で、環境にやさしい発電方法や「電気エネルギー」を無駄に使わないための工夫など、私たちに出来る事にはどんな事があるのかをみんなで考えました。
「体験」では、①ご要望のあった「自転車発電」の体験コーナー、②「電気エネルギーの変換」の体験コーナー、③「省エネ、エコ発電」の体験コーナー、の3つのコーナーを用意して、児童を3班に分けて順番に回っていただきました。
「①」では、LED灯はペダルを軽くこいでも点灯するのに対し、白熱電球は一生懸命こがないと点灯せず、両者の消費電力の差を「こぐ力の差」として「体感」してもらうと共に、何がエコな照明なのか、と言う事にも気付いてもらう事が出来ました。又、一生懸命にペダルをこいで「テレビ」を付けてもらう事にもチャレンジしてもらい、電気をつくる事の大変さも「体験」してもらいました。これらの「体験」をする中で電気の無駄使いは止めようと言う意識も芽生えた事と思います。
「②」では、「電気エネルギー変換実験パネル」と「手廻し発電機」を使って、発電所から家庭などに届いている「電気エネルギー」が、「光に変わったり」、「力に変わったり」、「熱に変わったり」する事を「体験」する事によって、「電気エネルギー」が私たちの生活と密接につながっている事を理解していただきました。
又、手廻し発電機を使って「せんぷうき」を廻したり、テレビを点けたり、その他、振動を電気エネルギーに変換する、電池の要らない「振動力発電」の体験もしていただきました。
「③」では、自分たちで模型の「LED灯」と「白熱灯」を手廻し発電機で点灯させて、必要とする「力」の違いを「手応えとして実感」してもらう事によって消費電力の差を「体験」していただきました。その他、エコだけれども発電力が不安定だと言われている自然エネルギーの1つ、「太陽光発電」の模型を使って、電球で照らした「普通のソーラーハウス」と「蓄電池をそなえたソーラーハウス」の屋根の太陽光パネルを段ボールの「雲」で覆う事によって「普通のソーラーハウス」は発電しなくなる事を「体験」していただいたり、しかし、それが「蓄電池を備えたソーラーハウス」では「雲」で覆ってもLEDは点いたままとなり、「天候に左右される不安定な発電方法」とされていた「再生可能エネルギー」も工夫次第では大きな可能性がある事を理解していただいたりしました。 又、同じ照度のLED灯、蛍光灯、白熱灯がどれだけの電力を消費しているかをワットメーターで数値として確認してもらいエコ意識を高めていただきました。
最後に、「ひらかた環境ネットワーク会議」が以前から取り組んでいる「ひらかたみんなでECO宣言」の結果報告パンフレットの最新版を配布して、日常生活での「省エネ行動」や「節電」への取り組みの大切さを具体的に紹介しました。
まとめとして、「皆さんが何気なく使っている「電気」も「CO2」の発生源であり「地球温暖化」の原因の1つである事を理解して、「環境負荷」と密接につながっている「電気」を大切に使う為に「省エネ」に取り組みましょう」、そしてその事が「皆さんが大人なった時の、未来の地球環境を守っていくために必要な事なのです」、と言う言葉で締めくくりました。