2018年12月13日(木)に環境ティールームを開催しました。
今回のテーマは、「再生エネルギー社会は実現できるか」でした。
再生可能エネルギー100%社会なんて無理と思われている方も多いと思います。
しかし、世界は再生可能エネルギーに大きくシフトして、日本は取り残されつつあります。
地球温暖化の問題もまったなしの状況で、私たちが本気で目指していかなければいけません。
今日は、そのためにどういったことが考えられるのか、何が問題となっているのかを話し合いました。
以下は、内容の要旨です。興味のある方は読んでください。
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〇どうしたら、100%再生エネルギー社会を実現できるのだろうか?
100%再生エネルギー社会を実現するための現在の課題は大きく2つある。
1.経済や社会が成り立つことが信じられない人が多い。
2.コストが非常に高くなるのではないか。
果たして、本当にそうなのでしょうか。
<意見交換>
・例えば、最近の巨大な自然災害は温暖化の影響が大きいと言われている。そのことによる経済的損失は計り知れない。保険会社は、危機感を募らせている。
・海外では、化石燃料によるエネルギーを使用している会社には投資しないという企業がでてきている。
・日本では、本当に再生エネルギーにシフトしないといけないという危機感が薄い
〇政府は、なぜ原子力発電を推進するのか。
今年7月に閣議決定された日本の第5次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーの主力電源可を目指すと示したものの、原子力発電を今回も重要なベースロード電源と位置付けしている。大きな事故が起こり大変な被害になったのになぜ原発をやめないか。
<意見交換>
・2030年年度に2013年度比で26%温室効果ガスを削減するという目標実現のため、なんとしても火力発電の割合を減らさなければならないという事情がある。
・現在の日本では、大規模水力発電を除く再生可能エネルギー発電の割合は約7~8%である。それを一気に増やすことが難しいと考える人が多い。
〇送電線容量の問題
再生可能エネルギーによる発電量を増やすため、2009年電力の固定価格買い取り制度が導入され、太陽光発電や風力発電が大きく増えた。しかし、今年九州電力で、送電線が一杯であるため出力制御するということが起こった。この問題についてどう思うか。
<意見交換>
・本当に一杯なのか。実際は2割位しか電気が通っていないということを聞いたことがある。
・高額で買い取りを始めたときに予約しながら、まだ発電を実施していないところが多くある。しかし、その分の容量は確保しておかなければならず使用できない状況がある。
・10年で契約は切れないのか
・実際に発電し送電し始めてから10年間契約時の金額で買い取ってもらえる制度なので、そこに問題がある。
・発電しても送電できないのは、大変もったいない状況である。
・固定制度買い取りが始まって来年で10年が経ち、買い取り価格が大きく削減される家庭が多くなるため、新たに個人間で直接取引する仕組みづくりが始まっている。
〇使用する電力の総量を減らすことが大切ではないか。
東日本大震災の後、日本中が節電を行った。ずっとあの時のようにできないだろうか。
・世界中で一番消費されている電力は、照明である。
・最近、イルミネーションやライトアップなど光のイベントや装飾があふれている。
・LEDが普及し消費電力が減ったためにかえってそういう事がおこっているのではないか。
・「節電という発電所」という言葉がある。日本の全世帯で1%省エネすると、発電所約1基分といわれている。
<まとめ>
・世界は、再生可能エネルギーに大きくシフトしており、このままでは日本は置いていかれる。
・日本にも再生可能エネルギーによる電力自給率100%超えの自治体が100か所以上ある。
・主に人口が少なく土地面積が広い自治体ではあるが、これは大きな希望である。
・ゴミの廃熱発電や下水処理場や浄水場での小水力発電など都市で可能な発電方法もある。
・どういう可能性があるか真剣に考える必要がある。
・市民が危機感をもち、本気で100%再生可能エネルギーを目指すことが重要である。
<2018年12月22日更新>